熊本のうまいもの

 

 今は他県に住んでいますが、熊本で職を得て約30年間に住んでいました。その間熊本で食べて、うまいと思ったものを紹介したいと思います。

(2007年3月末の熊本城)

 

1 馬肉料理

  馬刺し

   熊本と言えば、何と言っても馬刺しが有名です。熊本ではほとんどのスーパーマ   

   ーケットでも売っていますし、専門料理店も数多くあります。

 

   最初に熊本に来た時、まず名物の馬刺しを食べてみたいと思っていました。

   早速職場の先輩に馬肉料理店に連れて行ってもらい、その味が大好きになりまし

   た。その後はよくスーパーで買ったり、ときどき職場で共同で注文して高品質

   の馬肉を少し低価格で買って食べたりしていました。       

   また、職場での飲み会では馬刺しが付きものでした。   

   

   元馬は北海道や海外(カナダなど)から仕入れ、熊本で独自のブレンドした飼料

   や高い飼育技術で立派な肥育馬に仕上げられます。

 

   馬刺しは脂があってもあっさりとして、すこし甘みがあり、やわらかく、肉独特

   の臭みはほとんどありません。高級な霜降り肉は他県にない熊本特有で、もちろ 

   ん美味しいのですが、私は赤身肉も大好きでした。

 

   レバー刺しはコリコリした食感で、臭みはありません。

   コーネと呼ばれる馬独特のたてがみの部分の脂肉もよく食べられます。

 

   濃厚な甘口醤油やゴマ油、ショウガ、おろしニンニクを付けて食べます。私は生

   のタマネギと一緒に食べるのも好きでした。

  

   馬肉はカロリーが低く、高タンパクで、鉄分が多く、他の食肉に比べて寄生虫や   

   食中毒の原因になる細菌などのリスクは低いと言われています。

 

 

  馬のもつ煮込み

   私の住んでいた熊本市東区に馬のもつ煮込みの有名店がありました。もつの味噌 

   煮込みにきざんだ小ネギとトウガラシを振りかけて食べます。一緒に出される店

   特製の白菜漬けも浅漬けと違ってさわやかな風味で、忘れがたいものがありま 

   す。熊本を離れてずいぶん経ちますが、あの店は今でもあるのかな?

 

  余談

    熊本で馬というと、藤崎宮の秋の例大祭が思い出されます。九月に行われ、そ

    の最終日に数十頭の飾り馬が奉納されます。きれいに飾り付けられた巨大な    

    馬が「ドーカイ、ドーカイ」という掛け声とともに町中を練り歩くのは、本

    当に勇壮です。

 

2 肥後の赤牛

    赤牛は和牛の一種で、おもに熊本と高知で飼われています。

    赤牛は黒毛和牛ほど霜降り肉はできにくいですが、その分脂肪が少なくタンパ

    ク質が多い赤身肉が特長です。

 

    阿蘇には家族でよくドライブに行っていましたが、方々で赤牛が放牧されてい

    て、心いやされるものがありました。 

(2007年10月 南阿蘇村)
 

 

3 熊本ラーメン

    豚骨の白く濁ったこってり濃厚なダシで、同じ豚骨の博多ラーメンとは麺や風

          味が明らかに違います。特長は強烈に食欲をそそるあの匂いでしょう。職場の 

    昼食時に出前で注文してよく食べていました。自分が注文していない日に他の

    人が出前を頼んだラーメンの匂いが漂ってくると、明日は自分も必ずラーメン

    にしようなどと思ったものです。

 

4 野菜、果物

  ・スイカ

     熊本はスイカの生産量が日本一で、県内に有名な産地がいくつもありまし

     た。特に有名なのは、「植木スイカ」でしょう。おかげで、価格も比較的安

     く、切り身ではなく、大きなスイカを一玉買って食べたものです。家族みん

     なスイカが大好きでした。

 

     熊本のスイカはクリスマス前から出荷され、ゴールデンウイーク頃が出荷の

     最盛期です。

 

     道の駅などでは、驚くほど大玉のスイカが手ごろな値段で売られており、ド

     ライブの際にはよく買って帰っていました。

 

  デコポン

     デコポンの正式名は「不知火」で、これも熊本が生産量日本一です。皮がむ

     きやすく、袋ごと食べられます。甘味と酸味のバランスがよく、すばらしい

     柑橘の香りもあります。

 

     熊本では出荷規格外のものがネットに入れられて、安く売られていました。

     規格外といっても、皮に多少キズがあるか、しわがよって見た目が悪いだけ

     で、味は良品と全く変わりません。

 

  晩白柚(ばんぺいゆ)

     大型の柑橘類で、直径20cm、重さは2kg以上もあります。八代市の知

     人からよくもらっていました。スーパーマーケットでも普通に売られていた

     ので、自分でも買って食べたり、お土産にしたことがあります。

 

     実は比較的かたく、程よい甘さで、酸味はあまりありません。一人で一個は

     多すぎて、我が家では四人家族で一個を食べていました。

 

     晩白柚は熊本の特産で、国内生産のほとんどが熊本産(特に八代地域)のよ

     うです。他県ではほとんど見かけませんね。

 

5 阿蘇高菜漬け

     阿蘇地方では3月中旬から高菜が収穫されます。この時期に仕事で阿蘇の旅

     館に泊まると、香り高い高菜の浅漬けが出されていました。春の訪れを知ら

     せる味です。

     

      古漬けを細かくきざんで、油でいため、トウガラシを加えてご飯に混ぜる

     菜飯も絶品です。

 

6 お菓子

     熊本から実家に帰省するときは、かならずお菓子をお土産にしていました。

     熊本には美味しいお菓子がたくさんありますが、中でも「陣太鼓」や「武者

     返し」というお菓子をよくお土産にして喜ばれていた記憶があります。

 

7 球磨焼酎

     熊本での職場の飲み会で圧倒的に多く呑まれていたのは、球磨焼酎でした。  

     球磨焼酎は米が原料で、芋焼酎のような強烈な臭いはなく、さわやかな感じ

     です。ロックでも呑まれますが、お湯割りが多いように思われます。

 

     やはり、馬刺しに一番合う酒は球磨焼酎でしょう。